関原 健夫 著 朝日文庫
2003年 本体600円
著者39歳のとき大腸がんの宣告、手術。その後も、肝臓や肺への転移、再転移に次々見舞われ、なんと6年間で6回に及ぶ手術を受けるが奇跡的な回復を遂げる。闘病生活16年。この本を読むと、「がん」というものがどういうものか、また、がん治療についての日米の考え方の違いがよく分かる。そして、病とともにどう生きるか、身近な人が「がん」になった時に何ができるのか、等、多くのことを考えさせられる。「生きる意味」は案外身近なところにあるのかもしれない。

綾田成樹 著 角川書店
2003年 1400円
交通事故に遭ってしまったとき、被害者であるはずが、現場検証や目撃証言だけで加害者にされたり、過失責任を問われたり。納得の行かない警察の捜査に泣き寝入りという話はありがちだ。そんな人たちに救いの手をさしのべているのが、交通事故鑑定人。あらゆる角度で、事故鑑定をしなおし、事故の真実に光をあてる!どんな事故も百%解決というわけではないけれど、興味深い事例満載。

なぜ仕事するの?松永真理著 角川文庫
2002年 476円(本体)
リクルートで活躍した後転職してiモードを開発した著者でさえ、「なぜ仕事するんだろう」という疑問がずっと消えなかったという。視界に入るのは、多くの「ああはなりたくない」人と、ごく少数の「ああはなれない」人ばかり。その感じよくわかる。それでも、燃えて働いているうちに管理職になり、ますます仕事がおもしろくなって、という展開は、彼女の能力ゆえでしょう。内容は示唆に富んでいるけれど、成功した人だけが語れる言葉なのかも。

麻生 圭子 著 文藝春秋
2000年 本体1429円
町家カフェ、町家レストランなど、京都の町家が今、大人気。でも実際行って見ると、側は確かに町家だけど中は全く別物というところも多くがっかりすることがある。その点麻生さんは、本来の町屋の姿へのこだわりがあり、彼女が再生した家はとっても素敵。こんな家に住みたいなーと思うけど、「東京育ちの大阪マンション暮らし」の私の体には無理かもしれない。それにしてもこの本で描かれている京都人はコワイ・・・。

白洲正子 著 講談社
1991年 本体951円
近畿地方、とりわけ近江にはひっそりとした、そして格調の高い「かくれ里」がこんなにもあるのか。私は近江が大好きでよくでかけるが、この本には私の全く知らない、そしてガイドブックにも載っていない「かくれ里」が紹介されている。いつかこの本にのっている場所を旅してみたいと思っているが、いまでも白洲さんの描いた魅力的な「かくれ里」のままなのだろうか。

ぼーっとしようよ養生法田中 美津 著 三笠書房
2003年 552円(本体)
風邪をひきやすいとか倦怠感があるとかお腹をこわしやすいとか、病気ではないけど健康でもないっていう体との付き合い方って難しい。いろんな健康法があるけれど、万人に有効なものはないという当然のことが納得できた。食べ物や体操なども自分に適したものを選べば効果的。ずぼらな私でもすぐに実践できる養生法が載っていてうれしい。こんな女性鍼灸師が近くにいたら、足繁く通いたい。
明るい老犬介護児玉 小枝 著 桜桃書房
2002年 1500円
掲載されている老犬の写真、眼差しが以前飼っていた老犬と同じだたので思わず手にとった本。犬も年を取る。衰弱しても痴呆がすすんでも、変わらず大切に世話をしている飼い主たち。15匹の犬と飼い主達のきれいごとではない”愛”が心を打つ。そうよ動物を飼うって言うことは命と向き合うってことなのよ。

赤瀬川 原平 著 岩波新書
1990年 本体780円
赤瀬川さんと千利休−どうも結びつかない。映画「秀吉と利休」の脚本の依頼があったとき、本人ですら「何でまた」(私に?)と一言。思った通り、話は千利休にとどまらず、トマソン物件、古新聞、野球選手、等々へ。時々、何の本を読んでいるのか忘れそうになるが、いつのまにか本筋に戻っていくあたり、さすがである。それでもって読み終えると、不思議と茶の湯の世界を垣間見た気になる。うーん、このノリ、やっぱり好きだな。

下川 裕治著 双葉社
2003年 1500円
微笑の国タイ、その首都バンコクは日本人にとって最も身近な海外旅行先のひとつ。巷には様々なガイドブック・旅行記が溢れている。ステレオタイプのガイド本や面白おかしく書かれた旅行記(きちんと取材されてるか疑問)が多い中で、著者が27年間関わり続けた街の一連の作品は興味深い。自分も町や人々の時の変化を見てきたような楽しい錯覚を覚える。

椎名 誠著 小学館
2003年 1400円
まず表紙をとくとご覧ください!なんとも不思議ですよね。敬虔な仏教国であり軍事国家である国ミャンマー。厳しい軍の情報統制下で外の世界からはなかなか普通の生活が見えてこないし、逆にミャンマーの人にはリアルタイムの世界情勢は知らされない。でも信仰心厚く、情報の洪水からも隔離された国の人々の生活は、周りから振り回されずに静かで落ち着きがあるように思える。ミャンマーの素顔をはじめて体験できた一冊です。もちろん楽しい文章と写真には大満足!
海外でさっさと暮らせるようになろう
中西佐緒莉著 自由国民社
2003年 1500円(本体)
海外生活関係の本はたくさん読んだけど、この本は現実的でいい。年代による移住準備の違いや、海外生活での必要経費、海外で銀行口座を開設するコツ、そして危機管理まで、本当に具体的に書かれている。例えば、国民健康保険を海外でも使える方法など。特にお金の管理、運用については十分に頁が割かれていて、勉強になる。
鋼の女 最後の瞽女・小林ハル下重 暁子 著 集英社文庫
2003年 本体619円
三味線ひとつを手に唄を披露して各地をまわる盲目の旅芸人、瞽女(ごぜ)。数々の苦難がハルさんを襲うが、ハルさん曰く「人間は諦め一つ、諦めれば思うことない」−どんな辛い目にあっても.、運命に逆らわず、自分の中で消化する。「きたえられるたびに強さと輝きを増す鋼」のような人。その強さと輝きは、会ったことのない我々にも十二分に伝わってくる。テレビを通して一度聞いただけの唄声が忘れられない。参りました。